世界個人旅行的記録チュニジア→チュニジア2000

2000年5〜6月 約3週間のチュニジア旅行
Tokyo→モスクワ→チュニス アエロフロート航空・モスクワトランジットでチュニジアへ
チュニス チュニス滞在:カルタゴとシティ・ブ・サイドへ
ドゥーズ ドゥーズの砂漠体験
ケロアン ケロアン滞在とスベイトラ(遺跡)
ハマメット ハマメットのリゾートライフ
チュニス チュニジアでできた友人と遊ぶ

旅行記
チュニジアの猫は自由で愛らしいです

チュニジアへは直行便がなく、どの航空会社を利用しても経由便になります(2000年当時)
。私が利用したのはアエロフロート航空。アエロを利用するのはこの時が初めてで、いろんな(悪い)評判を聞いていたので若干の緊張感がありました。
結果的には可もなく不可もなく。サービスなどのソフト面で他の航空会社との圧倒的違いがありますが、コストに見合ったフライトでした。
モスクワからチュニスへは4時間程度という近さ。
しかし到着は深夜12時を過ぎていたので町へ向うのはやめました。そのまま空港で夜明かし。ガイドブックや空港の雰囲気からすると町中の治安は悪くなさそうですが、夜中に宿探しは気が向かないので。


チュニス滞在

チュニスでの滞在はホテル・アグリカルチャー。ガイドブックにものっている中級ホテルです。朝食付で20D。グリーンで統一されたインテリアはかわいらしく、トイレ・シャワーはもちろん、バルコニーまでついています。

まずはチュニスに3〜4日滞在し、チュニジアの雰囲気をすこし確かめました。街中はヨーロッパのような、おちついた雰囲気で、スラムや貧民街といった、貧困の気配がありません。人々もヒマそうに歩いている人が多いわりに、殺伐とした雰囲気はありませんでした。

食事は外で買ってきても食堂やレストランで食べても、すごい当たりというのがありません。
何を食べてもそこそこおいしいというアジアの旅行とは違います。現地在住の人や長くいる人は当然おいしい店を知っており、聞いてしまった方が手っ取り早い気もします。
現地の人に連れて行ってもらったり、教えてもらったお店は味もよく、北アフリカ料理のおいしさを味わうことのできるお店も。特にクスクスなどは店によって当たり、はずれが大きいので、当たりのお店で食べると印象がぐんと良くなります。

チュニス市内はほとんど歩いて移動。ちょっと遠い場所へはトラム、電車を使いました。タクシーはあまり使っていません。歩いて市内をあちこち回るのにほとんど問題はありませんが、道を聞くのに英語がなかなか通じない事、たまにヘンな人につけられる事だけが難点でした。
また、旧市街と新市街では雰囲気が全く違います。旧市街のメディナも買物する分には楽しいですが、宿泊するのはやはり新市街が良いでしょう。新市街→メディナは徒歩圏内です。


カルタゴとシティ・ブ・サイド

シティ・ブ・サイドはチュニスから列車で数十分の場所にある、ブルーと白の地中海風街並みがすてきな観光地。サントリーにやミコノスなど、エーゲ海のリゾート地を思わせる風景が広がります。
また、この列車(TGM)沿線にはカルタゴなど遺跡の観光地もあり、チュニジアに訪れる観光客は必ず行く場所だと思います。

まずチュニジアではメジャーな遺跡、カルタゴを見に行きました。
TGMでカルタージュへ向かい、点在する遺跡の共通チケットを購入。ほとんどの場所は歩いて回れるが、日差しがきついのと、坂道が多いため結構疲れます。朝食抜きだったので、途中にあったお店でサンドイッチを買い食べながら歩きました。
遺跡よりも感動なのは、この町並みのすばらしさ!広々とした敷地に大きな邸宅というところを見ると高級住宅地なんでしょうが、壁やドアや窓枠が白・ブルーなどの地中海カラーだし、色々な種類の木の花が咲いていて、とにかくきれい!ブーゲンビリアやジャスミンや、名前も知らないブルーの花や黄色の花が家々の塀からこぼれんばかりに咲いていて、人気のない道をいいことに、ばしばし写真を撮りました。
カルタゴ遺跡は小さな敷地に石の残骸がごろごろしているつまんないものから、アントニヌスの浴場跡のような大きなものまで。特にこの浴場跡は海のすぐ近く、見晴らしのよい場所にあり、当時としてもかなりいい施設だったのが想像できます。

その後延々と坂道を登り、丘の上の教会も見に行きました。横にはミュージアムがついていて、共通券で入れるので見てみることに。あまりめぼしいものはなく、地味な展示品。モザイクなどもあったが、遺跡に残しておいたほうが感動もひとしおでしょう。

アントニヌスの浴場跡にむかう道
でも小さなミュージアムショップには結構いいものがありました。中でも絵本に力を入れているのか、先日本屋で見たよりずっと種類が多い。ここでフランス語の絵本を購入。

TGMでシディ・ブ・サイドへ向いました。駅からカフェへ向かう道は超満員の人出。有名なシディブサイドのシンボル的カフェのカフェ・デ・ナットも混んでいます。室内では一段高くなった席に靴を脱いであがる、という昔風の作り。ここであまーいトルココーヒーを飲み、疲れをいやしました。トルココーヒー以外にも、松の実が入ったトラディッショナルなミントティーもありますよ。


ドゥーズの砂漠体験

チュニス〜ドゥーズへは夜行バスで移動。途中何度か停車したらしいけど、21時〜翌朝5時半まで、休憩も食事もとらずひたすら眠ってました。

バスを降りると早朝の町は人気がなく、うっすらと明るくなりかけたばかりです。
とりあえずどこかホテルを探そうと歩き出したら、同じバスに乗ってきたフランス人女性に声をかけられました。
「一緒に朝食でもどお?同じ旅行者だよ。」と。見ると女性2人と男性1人の旅行者。チュニスの学校に在籍しているファビエンヌとイサベル。フランスからやってきたファビの弟をつれて観光中とのこと。この日1日行動を共にすることとなりました。

6時半ころ、ホテルにチェックインしたかったので近くの安宿に向うと、3人ともついてきてくれました。
宿泊したのはホテル・エッサダ。1泊5Dの部屋は窓付きの6畳くらいの広さにベットがついているだけの、簡素な部屋です。シャワー・トイレは共同。あっさりしたホテルですが、清潔感はあります。

イタリア映画に使ったというセット、なかなかよくできている
5年位前にここに来た事があるファビエンヌに連れられ、1.5kmくらい先の砂漠の入り口のカフェに向かいました。
ほぼ砂漠の入り口にあたるカフェで、その向こうは木も草もない砂漠の風景が広がります。

イタリア映画の撮影に使った、という宮殿のような建物を見たり、砂丘に登ってみたり。この時間になると周辺には4WDに乗った観光客もちらほら現れました。
フランス語でどう話が展開したか不明だが、近くのオアシスに行くことになりました。我々4人とチュニジア人(誰?)3人。タクシーに乗っていって、帰りはカレイチ(ロバ車)で帰ってくるというので、ごくごく気楽な散歩だと思ったんだよねえ。
早朝に砂漠に向かい、昼ごはんは手造りパンとスイカ。馬車に7人の人間が乗ってのったらのったら進む・・・というだいぶ想像と違う砂漠体験になりましたが、それはそれで楽しかったです。ただ、砂漠に入るなら水と日焼止めと帽子は、最低限必要だと思いました。また体力も。

当初ドゥーズではツアーで砂漠体験をしよう!と思っていた私ですが、結局このフランス人3人とチュニジア人3人、計7人で行った砂漠ツアーがチュニジアでの砂漠体験となりました。
通常、旅行者が砂漠ツアーをするとなると、旅行会社やホテル主催のものを利用するのが一般的ですが、このようななりゆきもありえるんだな、と思いました。

ちなみに、翌日以降、町を歩いても宿に戻っても、「砂漠ツアー行かないか?」と勧誘がうるさかったです。
なぜか私が初日に砂漠ツアーもどきに行ったのを知っていて、「あの時いくら払った?」とか聞かれました。宿泊した宿には室内にテントをはり、ティールームのようなくつろぎスペースがあり、外で買ってきたご飯を食べたりしていましたが、わらわらと従業員が寄って来て「砂漠ツアー攻撃」をするので少しうっとおしかったです。


ケロアン

ケロアンは旧市街のメディナもあるし、近くのスベイトラという遺跡へのゲートシティーでもあるし、週に一度手作りカーペットの市場もたつそうで、色々楽しみです。
ドゥーズからケロアンまで、ストレートで行けるバスに乗れず、スースまで行って乗り換えしました。砂漠の町を朝出発し、ケロアンへ到着したのは夜7時過ぎ。幸い日没が遅いため、まだ明るいです。
チェックインしたホテルはきれいで安いし、ベットもダブル。ただ、フロントの兄ちゃんがちょっと・・・。

夕食へ出かけ、近所のお店で夕食のオーダーをしていたらさっきのホテルで見かけた旅行者のおばさんが入ってきました。せっかくなので同席。
スイスからの旅行者だそうで、このお年(結構いってると思いますよ?60代くらい?)で一人旅の個人旅行とは頼もしいです。少々お耳が遠いのと、私の英語力がイマイチのため会話がかみ合わないのですが難点です。

ところで彼女が言うには、私がチェックインしたホテルのフロント兄ちゃんはやはりちょっと・・・というタイプらしいです。ホテルの横にハマムもついてるんだけど、そこに行ってマッサージを頼むと、その兄ちゃんがやってくるらしい・・。やっぱ要注意だ。

ホテルに滞在中、この兄ちゃんには色々困らされました。何かにつけ、話しかけたり様子を伺ってきたりするのです。
今までの宿は比較的お客をほっておいてくれたけど(これが普通だと思うんだけど)、ここの兄ちゃんは放っておいてくれない。女性ならわかると思うけど、その下心アリアリの様子がとても不愉快なんですね。
初日から「これは・・」と思っていたので、私は必要以外一切しゃべらない・笑わない戦法で切り抜けましたが。ロビーにいるだけならまだしも、トイレやシャワーを利用する時に出てくるタイミングを伺って話しかけてきたり、ストレスたまりました。

ケロアンでは遺跡を見に行く以外は、街中をぶらぶら歩いたり、ハマムに行ったり洗濯したりと、気軽に過ごしていました。しかし、こういった特に目的のないただの街歩きをしていると、いろんな人に声をかけられます。「コニチワー」「サヨナラー」「ジャポネ!」とか。はっきり言ってこれはやりにくい。

リラックスして過ごせる国と違って、こういった注目度の高い国(主にイスラム圏)では私はほとんどぶすーっとした仏頂面で町を歩いています。気がつくといつも眉間にしわが寄っているようです。
それにもかかわらず、気軽に声をかけてきたり後をつけてきたりする人がいるため、全く不愉快でした。特にこのケロアンではメディナでもコニチワ攻撃、女の子を選んで道を尋ねたらお土産屋に連れて行かれ、「ついてこないで下さい」と言ってもずーーーっと後をつけてくる男に4文字コトバでどなり、その後も不愉快なことが立て続け。食べたランチはまずくて半分残すし。たぶん、ケロアンという町と私の相性が合ってなかったのだと思います。
ハマムは砂漠でもケロアンでもチュニスでも行ったけど、基本的にモロッコやトルコと同じ使い方です。垢すりが主流の使い方。ケロアンでは個室風な作りだったので、ひとりずつのんびり使える良いハマムでした。ただ、明朗会計ではなく、なんだかんだ追加料金を取ろうとするので、会計の時に少しもめましたが。

宿に帰って日記を書き、読み返してみるとチュニジアもヨーロッパ的な雰囲気の観光国とはいえ、やはり中東(アフリカ)だなあ、と思います。
日記に怒りのコトバ(男・金に対して)が溜まるあたり・・・。

砂漠のお土産屋さん通り

スベイトラ(遺跡)

スベイトラはケロアンからバスで行けるローマ時代の遺跡です。
しかし、バスの時間があまりなく、結局ルアージュで行く事にしました。
ルアージュを降りてから遺跡までは約30分歩きます。美術館の建物でチケットを買い、屋外の遺跡を先に見ました。
ローマ時代の遺跡・・ということですが、時代や建物の特徴からはその違いがよくわかりません。
この遺跡は今までみた遺跡とちょっと違ってて、一種の公園のような管理をしてるように見えました。あちこちに花壇を作り、きれいにしよう!と心がけている?
遺跡の台とかも勝手に花壇に変えちゃって、いいんでしょうか?個人的には実際にあった状態で保存しておくのが望ましいと思うけど、これはこれで遺跡と花のコントラストがいいのかも。

ごろごろと崩れた遺跡のかけらが転がっていたり、野の花がぶわーっと咲いている中に神殿部分が残っていたり、なんだか廃墟という印象が強かった。観光客も少なく、しーんとしているから余計そう思ったのかもしれません。

美術館は閉まっているのを開けてもらって見物した。
出土品のモザイク画やランプ、彫刻が数点のこじんまりとしたミュージアムです。

ホントはゆっくり見てからカフェで読書して〜休憩して〜と思ってたのですが、カギをあけてくれた係の男性がしつこく、諦めました。館内でずーっと「宗教は?ケッコンしてる?住所は?」とか聞きながらついてくる。宗教はない、とうっかり言ってしまったら、「神はいる!なんたらかんたら・・」と言い出してまいった。失敗。無宗教っていうのは外国ではありえないんだった。仏教徒でいいんだよね?日本人は。

ケロアンへはルアージュで戻りました。
疲れきっていたので、帰りにメディナでモモ・ソーダ・サンドイッチを買って帰りました。サンドイッチは卵とサラダのスパイスあえにポテトフライも入っていて、とてもおいしい。モモもおいしい。チュニジアではしょっちゅうモモを買っているけど、甘くておいしいです。


ハマメットのリゾートライフ

ケロアン〜ハマメット間ではまたもやルアージュを利用することに。思ったより近く、1時間程度で到着。車窓からの風景はホントにツーリスティックなリゾート地、といったところでしょうか。悪い意味ではなく。海沿いには眺めのよさそうなカフェ、ホテルやお店などもたくさんあって、快適に過ごせそうです。

せっかくだからリゾートライフを楽しもう、と海に面したヤスミナホテルに泊まることにしました。

広い庭の中に2階建客室のある建物が点在してます。朝食つき・日本円にして4000円程度は私にしては贅沢なものです。部屋はとてもプライベートな作りで、ベットが3つもあり(1人なので意味ないですが)、広ーいベランダにバスタブも付いています。
難点は宿泊客が白人の年寄りかカップル・家族連れしかおらず、少々居心地悪いかんじ?
(この時感じた居心地の悪さは悪い意味で的中し、結局ホテルは1泊のみで移動することになりました。)

町歩きしてみると、さすが皆が“ツーリスティック”というだけあります。
メディナの商人とか道にいる人とか、なれなれしいし、いやらしい。肩や腰に手を回そうとしたり、“やらせろ”と言ってきたり(しかし正直だな)、他の町ではここまでひどくなかった。もっともリゾートに来て普段よりも機嫌よく歩いているので、ゆるい雰囲気が出てるのかもしれませんが。普通の国でもリゾートで女一人、というのはかなり異色な存在でしょうが、チュニジアではなおさら目立つのでしょう。
せっかく楽しく過ごしてるのに、イカリモードになりかけたため、早々にホテルに戻りました。

夕食は買って帰ったシュワルマ(サンドイッチの一種)とビール。
このセルティアビール、今まで飲んだビールの中で1番まずい!なんだこりゃ?エジプトのステラもモロッコのフラッグも普通だったのに?すごい独特の香り(麦?)があってとても飲めませんでした。

さて、いろいろあった為ホテルを1泊で移動し、今度は海沿いではないけど、キレイでかわいらしいホテルを見つけました。ホテル・サビィは朝食つきで2000円程度、ピンクとクリーム色で統一したインテリアがかわいらしく、バスルームもあります。
小さな朝食ルームは毎朝宿泊客でいっぱいです。朝食はデニっシュ・フランスパン・ジュース・チーズとジャム・コーヒーという普通のメニュー。ウエイターのおじさんがとても感じよく、毎朝「おはよう、よく眠れた?」と聞いてくれました。


チュニジアの建物はドアや窓がすてきです
また、近くのナブールという町では、金曜はマーケットが出るというので行ってみることにしました。
ハマメットからはバスですぐの距離にあり、到着するとどこから来たのかたくさんの観光客が。毎日営業しているわけではないからか、メインストリートはすごい人ごみで、ハマメットよりもお土産屋さんの数が多いです。

メインは器(陶器)で、色とりどりの陶器を並べたお店が目立ちます。色や絵柄で合わせたシリーズの陶器がたくさんあり、気に入ったデザインのもので全部統一できるしくみになっています。ワンセットを持って帰るのは無理なので、小鉢をいくつか購入しました。
他にも革製品のお店やアクセサリー屋、香辛料屋、らくだのぬいぐるみ屋など。
天気もよいのでアイスクリームを食べながら、ぶらぶらお店めぐりをしました。

ハマメットはさすがリゾート地だけあって、宿泊のみでなく、食事なども通常よりお金がかかります。
海の見える気持ちのよいカフェなどでワインを飲みながら食事をしたり、魚のグリルを食べさせる店でちょっと高級な食事をしたり。しかしこの部分はあまりけちけちするよりある程度のお金で快適さを買ったほうが良いと思いました。


チュニス滞在後半

ハマメットからチュニスへはバスで。トラムとバスのあいのこみたいな2連のバスは、ハマメット市内のみを走ってるのかと思いきや、チュニスまで行くそうです。1時間半程度でチュニスに到着しました。

ドゥーズの砂漠で出会ったフランス人、イサベラとファビエンヌ、2人はチュニスに滞在しています。留学中の彼女達もフランスへまもなく帰国する予定だったようですが、忙しい時間をぬって、私につきあってくれました。
また、彼女らのおかげで普通だったら知り合えない「観光客相手でないチュニジア人」とも知り合えました。

昼間は私は観光に、彼女らは学校に行っており、たいてい夜にシアターで会って劇を見たり、おしゃべりしたりお茶を飲んだり、ご飯を食べに行きました。

シアターには役者さんや作家の人、彼女らが通う学校関係者などが来ています。チュニスの他の場所とは違う雰囲気のカフェと人々で、多分サロン的な使い方をしてるんでしょうね。何度もここでお茶を飲んだり、色んな人に紹介されたりしましたが、ここで“ジャポネ!シノワ!ジャッキーシェン!”的なコトバが出ることは1度もありませんでした。確かにここはおしゃれ&知的スポットかもしれませんが、今まで私の持っていたチュニジア人イメージが大幅に修正されました。


チュニジアでは基本的に女性が一人で酒を飲みに行ける場所はありません。
買うことも困難。見たところそんなに厳格なイスラム国というわけではないようなのに、酒に関しては全く保守的。ハマメットではそこそこのレストランでランチついでに白ワインを一杯、くらいはしましたが、アルコールを目的に入れる店はありませんでした。
その為、飲みについてはほとんどあきらめでしたが、ラッキーにもチュニスで出会った俳優さんやイサベラ、ファビエンヌらが何度か飲みに連れて行ってくれました。

よく行ったのはマジェスティック・ホテルの2階にあるバー。ベランダにも気持ちのよい屋外席がしつらえており、とても快適。しかし女性一人・女性同士では行けません。なんせ他の客の男性率は100%でした。
フランスが元宗主国のわりに、あまりワインは飲まれないのか、はたまたいいものがないからあえて飲まないのか、たいていビールをがんがんと、でした。
また、おもしろいことに割り勘という感覚はあまりないようです。たいてい誰か1人か2人が払います。飲みの席では私は完全に払わずじまいでした。「旅行者だから」というのが理由らしいですが。これはお茶や食事時にも同じかんじで、誰かがまとめて払っていました。時々私も皆の分のお茶代を払うことがありました。

生演奏のある店にも行きました。
夜にライブありの店に行けるなんて、現地でつれがいないとなかなか難しい。音楽はチュニジア・エジプト・シリアなど、いずれにせよアラブミュージックとのこと。
同席のお兄さんが次から次へと食べ物を頼むため、我々のテーブルは非常に豊かなものに。加えて、わざわざ外からバラの花束を買ってきてくれて、テーブルはますます賑やかに。しかし気前がいいだけですまないのがアラブの常識なので、こちらに興味を持ってしまうのをするりするりとかわしながら飲まないといけない。何の下心も持たずに男性と酒が飲める日本は、ホントいい国だなあと思います。

メディナの中
チュニスでのお土産屋さがしは主にメディナで。
私の宿泊していたホテル・アグリカルチャーからはメディナまで徒歩で行けます。陶器・革製品・香辛料・香水屋・洋服・靴・土産雑貨など、小さなお店がたくさん並んだメディナは、歩くだけでも楽しい。典型的チュニジア土産、らくだのぬいぐるみを購入しました。

どの店も同じような雰囲気だけど、1軒だけセンスの良いお店がありました。店のインテリアにも気を使った作りで、奥に座った店主は上品でおしゃれなおじさん。私が勝手に商品を見るのを静かにほっておいてくれる。これはめずらしい!この辺の店では入り口に立っただけで猛攻撃なのに。

海外へもあちこち行ったという店主は、話し方も服装も物腰も“きちんと”しています。商品のセレクトも陳列もセンスよく、つい買いたくなってしまう。さすがに大物(絨毯)は買えないが、ミニサイズの卓上絨毯を買いました。
また、どの国でも必ず絵本を購入する私は、チュニス市内のあちこちの本屋を見て周りましたが、本に関してはチュニジアは貧しいです。本屋の充実度というのは、ある程度その国の精神的国力を表すと私は思っていますが、そう考えると膨大な量の本を扱う国というのは、まだ多数ではないようです。

そういえば、本屋の充実度の低さをファビエンヌに話した時、彼女も“この国の人には読書の習慣があまりない。自分も本を読んでいたら、何の為に読む?と聞かれた”と言っていました。(勉強の為なら読むらしいのですが)何の為に・・・?新鮮な質問です。












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